SOLIDWORKS Simulationとは
SOLIDWORKS Simulationとは、SOLIDWORKSの3D CADソフトウェアに統合されたシミュレーションツールです。SOLIDWORKS Simulationは、製品設計の段階で仮想的に構造、熱、流体、動力学などの物理的な動作を解析を行います。
粉砕機製造において、SOLIDWORKS Simulation は製品開発プロセスの初期段階で性能や信頼性を確認できるため、コスト削減や開発速度の向上を実現するのに役立ちます。以下に、主な解析の役割とメリットをご紹介いたします。
粉砕機製造における解析の役割
粉砕プロセス効率の向上
粉砕プロセスの効率を最大化するために、解析を通じて最適な運転条件を見つけ出します。これにより、エネルギー消費を抑えつつ、目標とする粒度を達成できます。
粉砕メカニズムの理解
粉砕機内での粒子の挙動や粉砕メカニズムを解析することで、どのような力がどの程度作用しているかを明らかにします。これにより、装置の設計や改良に役立てることができます。
トラブルシューティング
粉砕装置の運転中に発生する問題を解析することで、原因を特定し、適切な対策を講じることができます。これにより、ダウンタイムを最小限に抑え、生産性を向上させることができます。
品質管理
粉砕された製品の品質を一定に保つために、解析を通じてプロセスのばらつきを監視し、必要に応じて調整を行います。
解析することにより得られるメリット
効率的な運転
解析を通じて最適な運転条件を見つけることで、エネルギー消費を抑えつつ高い生産性を維持できます。
コスト削減
効率的な運転により、エネルギーコストやメンテナンスコストを削減できます。
品質向上
解析を通じてプロセスのばらつきを監視し調整を行い、粉砕された製品の品質を一定に保つことで、製品の品質を向上させることができます。
トラブルの早期発見
解析により、装置の異常や故障を早期に発見し、迅速に対策を講じることができます。
設計の最適化
粉砕メカニズムの理解を深めることで、装置の設計や改良に役立てることができます。
環境負荷の軽減
効率的な運転により、エネルギー消費を抑え、環境への負荷を軽減することができます。
各用語の定義(有限要素法、応力、疲労、固有値解析)
有限要素法 (FEM)
有限要素法(FEM)は、複雑な構造や物理現象を解析するための数値解析手法です。対象物を小さな要素(メッシュ)に分割し、それぞれの要素の挙動を計算することで、全体の挙動を予測します。これにより、構造物の応力や変形、熱伝導などを詳細に解析できます。
応力
応力は、物体に外力が加わったときに内部に生じる力の分布を指します。単位面積あたりの力として表され、通常はパスカル(Pa)やメガパスカル(MPa)で測定されます。応力には引張応力、圧縮応力、せん断応力などがあります。
疲労
疲労は、繰り返し荷重が加わることで材料が劣化し、最終的に破壊に至る現象です。疲労解析は、材料や構造物がどの程度の繰り返し荷重に耐えられるかを評価するために行われます。疲労破壊は、通常、応力集中部や欠陥部から始まります。
固有値解析
固有値解析は、構造物やシステムの固有振動数や振動モードを求めるための解析手法です。これにより、構造物が特定の周波数でどのように振動するかを理解できます。固有値解析は、地震工学や機械振動の解析において重要な役割を果たします。
解析の必要性とまとめ
弊社ではお客様に合わせた個別受注生産の完全オーダーメイドで各種粉砕機を設計しております。100年の歴史の中で、先人たちが残してくれた膨大なデータが蓄積しておりますので根幹部分は変わりませんが、やはり、機械毎に重量や回転数、振動値が変わってきます。さらに、お客様ごとに粉体、メディアが異なり、水が流れるジャケット部が及ぼす熱影響が異なります。よって、応力や熱、固有値の解析が必要となります。
さらに、別の手法の解析とはなりますが、原料やメディアが粉砕にどう影響するかを確認する、粒子ダイナミクスシミュレーション(こちらについては別の機会にご紹介します。)も組み合わせることで粉砕機のメカニズムを知ることはとても重要です。またメカニカルのみならず、粉砕試験を実施することで粉砕機に対する粉体そのものの相性や特性を確認することも大切です。このように多角的な検証を得て、お客様のニーズに合わせたボールミル・チューブミル・ジョークラッシャー・ロールクラッシャー、その他粉砕機の設計を行っております。
中工精機は常に最新の技術を取り入れ、お客様に最適な粉砕機の設計、開発、製造を行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。