ライニングとは
粉砕機(ボールミル・チューブミル)におけるライニングとは、缶体(粉砕が行われる容器)の内壁に取り付けられる材料のことです。
ライニングは、以下のような役割を果たします。
ライニングの目的
缶体の保護
粉砕機における缶体の内側は、粉砕中に材料や研削体(ボール)からの衝撃や摩耗によって、損傷が発生しやすくなります。
ライニングは缶体を、メディア(ボール)や、粉砕原料からの直接的な衝撃や摩耗から守ります。缶体を保護することにより、粉砕機(ボールミル・チューブミル)の寿命が延び、メンテナンスの頻度が減少します。
粉砕効率の向上
粉砕効率を高めるためには、メディア(ボール)の動きが非常に重要です。
ライニングの形状や材質により、メディア(ボール)の動きを最適化し、粉砕効率を向上させます。
例えばリフターバー付ライニングは、ボールの持ち上げ効果を高め、材料の粉砕を促進します。
※メディア・・・粉砕機に充塡され,その運動により粉砕の効果を果たすために用いられる物体の名称
粉砕時の騒音と振動の低減
粉砕機(ボールミル・チューブミル)の運転中は、騒音や振動が大きくなることがよくあります。
適切なライニング材を使用することで、粉砕機(ボールミル・チューブミル)の運転中に発生する騒音や振動を低減することができます。特にゴム製のライニングは、この点で効果的です。
エネルギー消費の削減
ライニングの設計を適切に行うことで、より効率的な粉砕プロセスを実現することができ、粉砕に必要なエネルギーの消費を抑えることができます。
適切なライニングの設計は、粉砕機(ボールミル・チューブミル)の運転に必要なエネルギーを減少させることが可能になります。
製品の品質向上
ライニングは、粉砕された材料の粒度分布を均一にし、製品の品質を向上させる役割も果たします。これにより、最終製品の性能が向上します。
メンテナンスの容易化
ライニングは交換可能な部品であり、摩耗した場合には簡単に交換することができます。これにより、粉砕機(ボールミル・チューブミル)のメンテナンスが容易になり、ダウンタイムが短縮されます。ライニングの材質や設計は、使用する材料や粉砕プロセスの特性に応じて選択されます。具体的な用途や条件に応じて最適なライニングを選ぶことが重要です。
ライニングの種類
粉砕機(ボールミル・チューブミル)のライニング材には、用途や粉砕する材料に応じて様々な種類があります。
以下に代表的なライニング材を紹介します。(一部ボールミルのみしか適当できないライニング材も含みます)
アルミナ
高い耐摩耗性を持ち、長寿命です。 化学的に安定しており、コンタミネーションを防ぎます。
※コンタミネーション・・・「混入」の意味。 略して「コンタミ」とも言う。
高純度アルミナ
より高い純度のアルミナで、さらに優れた耐摩耗性と化学的安定性を持ちます。
窒化珪素
高硬度で耐摩耗性に優れています。 高温環境でも使用可能です。
マンガン鋼
衝撃に強く、耐摩耗性も高いです。 主に鉱石の粉砕に使用されます。
鋼材 (SS、SUS3 高張力鋼/ヘルテン、HARDOX)
強度が高く、耐摩耗性もあります。 コストパフォーマンスに優れています。
天然珪石
珪石をライニング形状に加工して使用します。粉砕物やメディアも珪石の場合はコンタミが一切発生しません。
耐磨耗ゴム・耐薬品ゴム
耐磨耗ゴム・耐薬品ゴムは化学薬品に対する耐性があり、特定の化学プロセスに適しています。
耐磨耗ゴム・耐薬品ゴムには柔軟性があり、衝撃を吸収します。 粉砕時の騒音を低減する効果もあります。
ゴムを缶体に焼き付ける加工でライニングとする場合と、ゴムのライニングをボルト固定する場合がございます。ゴム焼付した上で、ボルト止めのゴムライニングを使用することで消耗した場合はゴムライニングのみを張り替えることが出来ます。
MCナイロン
MCナイロンは高強度で耐摩耗性に優れています。 軽量で取り扱いやすいです。
ウレタン
ウレタンゴムには柔軟性があり、耐摩耗性も高いです。 衝撃吸収性に優れています。
PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)
PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)は軽量で高い耐熱性と耐薬品性があります。機械的強度が高く、耐摩耗性にも優れます。また、コストパフォーマンスに優れています。
これらのライニング材は、ボールミルの性能や寿命を向上させるために選ばれます。具体的な用途や条件に応じて最適なライニング材を選定することが重要です。
中工精機は、お客様の原料・素材、目標粒度など様々なご要望から、ライニングを含め最適な粉砕機の設計、開発、製造を行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。