ボールミル・チューブミルの缶体とは
ボールミルやチューブミルにおける「缶体」とは、粉砕が行われる円筒形の容器のことを指します。この缶体の内部には、粉砕する材料と研削体(ボール)が入れられ、回転させることで材料を細かく粉砕します。
缶体の内壁には「ライニング」(ライニングとは – 粉砕機におけるライニングの技術解説)と呼ばれる保護材が取り付けられており、これにより缶体が研削体や粉砕材料からの衝撃や摩耗から守られます。ライニングの材質や形状は、粉砕効率の向上や騒音・振動の低減、エネルギー消費の削減などの役割を果たします。
ボールミル・チューブミルの缶体材質の種類
SS400
SS400:一般構造用圧延鋼材(SS材)
SS400のメリット
汎用性が高く流通量も多い材料で安価であることです。
SS400のデメリット
水冷式で使用したり、結露する場所で使用したりすると、錆びやすく配管の詰まりや缶体の穴等の故障の原因となることです。(缶体外周部は、錆止め塗装はしております。)
SUS304
SUS304:ステンレス鋼
SUS304のメリット
錆びにくいことが最大の特徴です。
SUS304のデメリット
SS400と比べ高価なことです。
HARDOX
HARDOX:スウェーデン鋼の一種
HARDOXのメリット
硬度、靭性、強度、耐摩耗性に優れていることです。
HARDOXのデメリット
SS400と比べ高価なことと、錆びることです。
ナイロン
ナイロン:エンジニアプラスチック(ポリアミド樹脂)
ナイロンのメリット
耐熱性や機械特性、耐薬性など優れた特性を持つことです。
ナイロンのデメリット
製作に時間を要することと、高価なことです。